2015年06月01日

(公社)全日本鍼灸学会ふくしま大会に参加してきました

 今回はいくつかの会議で書記をしていたり動き回っていたりして、ほとんど写真を撮ってません(^^;

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 いつも思うのですが学会は複数箇所で同時進行で発表が進むので全部を見ることができないのが残念なのですよね(>_<)

 さて、今回の大会で個人的に興味があった演題の中から明治国際医療大学伊藤和憲先生の演題「鍼灸治療は慢性的な痛みの予防につながるか?慢性痛患者に対する調査」をご紹介します。
内容はタイトルを読んでの通りで、貴重な調査発表でした。
以下、抄録から引用し簡単にまとめたものを載せます。


(方法)
まず、全国の鍼灸院に来院した患者の中で同意の得られた834名を対象に、線維筋痛症の予備診断調査(31満点)を行い、3つのカテゴリーに分類。
・3点以下を慢性局所痛症
・2〜12点を慢性広範囲痛症
・13点以上を線維筋痛症

また、鍼灸治療を半年継続した患者(2回以上/月)50人、1カ月以内に鍼灸治療をやめた患者50人を対象にその後の移行率を調査。

(結果)
6ヶ月以上の慢性的な痛みを有する患者は400名(47.8%)、年齢は64.5±17.9歳。
慢性痛の状態としては、慢性局所痛症20%、慢性広範囲痛症40%、線維筋痛症40%。そのうち線維筋痛症の診断基準を満たしているのは10.4%。

そして、追跡可能な患者で半年後に症状がどのように変化しているかを調べた結果では、
鍼灸治療を継続していたケースでは、病態のステージが
・進んだ 9名(18.3%)
・減少した 16名(32.0%)
・変化なし 25名(50%)

鍼灸治療をやめ西洋医学的な治療のみとしたケースでは、病態のステージが
・進んだ 11名(22%)
・減少した 6名(12%)
・変化なし 33名(66%)

鍼灸治療を継続している患者では痛みの改善傾向が認められた(P<0.05、χ2検定)。


 ということで、鍼灸治療を継続的に行った患者では、慢性痛のステージが改善傾向にあるが、鍼灸治療をやめてしまうと、西洋医学的な治療を継続しているにも関わらずステージが変化しない傾向が認められ、これらのことから慢性痛患者に鍼灸治療を継続的に行うことが慢性痛の予防・改善に有効な手段であると考えられる内容で、とても興味深い演題でした。

 慢性痛の治療は、患者さんも治療者も根気が必要で、こういう調査結果があるとモチベーション維持にも役立ちますよね!
posted by tamura at 10:12| Comment(0) | 日記